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活動内容

虎龍山吉祥寺開山400年記念事業

吉祥寺開山400年記念事業

式典での大般若経会

この度、当山に於いて、吉祥寺開山四00年記念式典にあたり、世界の平和や各参列者の平安などをご祈祷する大般若経会を勤修いたしました。

曹洞宗では正月三が日に「転読大般若」と呼ばれるご祈祷を行っています。「転読大般若」は、正しくは「大般若波羅密多経」と申し、かの有名な『西遊記』でお馴染みの三蔵法師玄奘(六〇二~六六四)が、最晩年になってから4年余りの年月をかけて配下の訳経僧たちとともに翻訳した、あらゆる仏典の中で最大規模を誇る経典です。字数は約五〇〇万字、全部で六〇〇巻となります。

この『大般若経』を全て読むことは、怖ろしく膨大であるため、当然、全て正しく真読することは至難の業です。現在の曹洞宗寺院では、少人数で行われる場合も多く、その時には、略して読む方法(これを「転読」といいます)が採られています。

 「転読」の方法は、時代によって変遷があり、当初経典が「巻物」であった時代には、題名と、中間と、末尾のみをめくって読んだそうです。その後、現在のような「折本」が出来てくると、左右や前後に振るようにして転読としました。この転読の際に出る風に当たると、一年間は無病息災になるといわれています。

正月祈祷(正月修法)の法要は、天災や疫病或いは、様々の困難に際してその災いを払い、国や家を護り人々の災いを除いて福を招くための大般若転読会が広く行われてまいりました。当寺でもこの、この大般若経を正月三が日の「転読大般若」において転読し、檀信徒各家、広くは国家として有縁無縁全ての無事平安と繁栄及び、先祖諸霊供養を祈願する「読誦」を恒例として修行しています。
多くの場合、お寺にお越しになる方は、ご先祖さまのご供養を念願して、ご葬儀・ご法事を行う場合が多いと思います。それは、死後の方の安寧を祈る内容です。

正月祈祷である「転読大般若」は、今ここで生きている我々自身について、一年の幸福を祈る内容でございます。つきましては、正月三が日の「転読大般若」には、気持ちよく一年を生きることができるように、参列いただければ幸いです。

今回、皆様にお届けいたしました同封の大般若経のお札は、当山400年という悠久の長い年月を重ねて御守りした由緒ある御札でございまして、皆様の御家族の御繁栄を切に願うものでございます。どうぞ御家を守る大切な御守りとして収めて頂ければ何より幸甚でございます。

 秋雨を心配しながらも開山400年記念式典並びに大般若経会が無事円成出来ました事は、仏天の加護は申すに及ばず、偏に諸老大宗師並びに檀信徒の皆様の御披護御法愛の賜と衷心より重ねて申し上げ、改めて大般若教の御説明に代えさせていただきます。

吉祥寺を取り巻く諸課題

永い間、地震や風雨など自然的な事象のほか、社会変化に伴う課題が多くあり、これら諸課題を開山400年記念事業の取り組みとして解消していく必要があります。

また人口減少等、吉祥寺の維持運営について、多方面から検討していかなければなりません。

【境内の環境整備】

歪みの生じている石垣や階段の補修等を行い、望ましい環境整備を行う必要があります。

【本堂等の施設改修整備】

昭和50年に落慶された本堂や平成6年に建設された三光殿は、東日本大震災を起因とする前後の大きな地震等により、雨漏りなど老朽化が進んでいます。また本堂・位牌堂・三光殿の未登記建物の登記が必要とされています

【菩提樹の老木伐採】

山門入り口の2本の老木杉及び町天然記念物指定の銀杏は、樹木内の空洞化や傾きなど倒木の危険性から、この際400年事業の一環として、伐採しクローン化による再生を図り、次世代への守り菩提樹とする必要があります。

【東日本大震災の対応】

東日本大震災により、犠牲となられた方々の供養と教訓を後世に伝えるための供養塔の建立が必要であります。また東日本大震災を起因とする悩みに限らず、複雑化する地域、職場、家庭などで心を悩む檀信徒がおります。このような悩める人々の気持ちを静め心の回復を求める場、「坐禅堂」が今、必要とされています。

【無縁墓地の適正な管理】

人口減少・少子高齢社会に伴う核家族化等の進展により、墓地を見守る方々の不明者が顕著で、今後もこの傾向は続くものと思われます。これら後見人不在の墓地について、永代供養墓地(納骨堂を建立する必)要性があります。

東日本大震災慰霊碑の建立

抜苦地蔵は、今この世界でもだえ苦しんでいる非力な我々を助けてくれる仏です。 来年3月11日、東日本大震災から数えて仏教では7回忌に当たり、境内に慰霊碑(お地蔵様)を建立し、犠牲となられた方々のご供養と今を生きる人々の支えとしてまいります。お地蔵様の大きさは150㎝で素材は鋳銅です。作成者は東京芸術大学名誉教授戸津圭之介先生です。

寺庭婦人会

寺庭婦人会からのご案内

曹洞宗「吉祥寺」は、1615年に開山されてから、400年の大きな節目の年を迎えました。

 これを記念として吉祥寺庭婦人会を立ち上げ、 高齢社会に対応してお通夜等のご負担の軽減を図ることを目的に「吉祥寺寺庭婦人会」を設置し、お通夜で使用した後の三光殿の跡片付けや清掃活動を行っています。
通夜終了後の三光殿の後片づけ清掃は、次に使われる方々が気持ちよく使用できるよう寺庭婦人会が責任をもって清掃いたします。

三光殿の祭壇の設置とご利用について

吉祥寺では、この度、三光殿にお通や会場として必要な「祭壇」を購入し設置
しました。これまで三光殿でお通夜では和室において、葬儀社様が設置した「祭壇」を有料で葬儀料と合わせてご負担し使用されていました。
この度、吉祥寺では檀家様のご負担を考え、既に吉祥寺のステージに常設した白木の格調高い「祭壇」を無料で利用できるようにいたしました

ごあいさつ

吉祥寺檀信徒の皆様におかれましては、健やかにお過ごしのことと拝察申し上げます。 常日頃より菩提寺護持の為に物心両面でのご尽力を賜り感謝申し上げます。早いもので、400年記念事業実行委員会が立ち上がり、記念式典を執行してから丸2年が過ぎました。 今日までご理解とご協力をいただいた皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
 さて、吉祥寺400年の歴史に思いを馳せますと、明治42年吉祥寺開基家前川善兵衛様が三代にわたり建立して下さった本堂の焼失や、津波や自然災害、戦争などの幾多の困難を乗り越えてきました。皆様のご先祖様が心と力を合わせ、本堂の再建や環境整備などの護持に努めて下さったおかげで今の吉祥寺があります。ご先祖様から命をつないでもらっていることを忘れないための場所が吉祥寺の本堂ではないかと思います。
 お寺は何をする場所なのかと問われることがあります。たくさんの役目がある中でも一際大切なことは、「自分自身の生き方を考える場所」なのです。自分の生き方に自信がなく、周りの声に振り回され、自分自身を見失ってしまう私達ではありますが、仏教のお釈迦様の教えは、「迷いや苦しみの人生をどのように幸せに安心して生きてゆけるか」一度きりの人生をしっかりと生きてゆくための教えなのです。
 これからも、吉祥寺は生きている人の幸せを祈り、頂戴した命を大切に生きてゆく事ができる場所にして参ります。皆様のご多幸を祈念申し上げます。 合掌
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