本文へ移動

東日本大震災

東日本大震災

吉祥寺東日本大震災遺族会代表挨拶

寒さの中にも日差しが和らぎ、少しずつ春の兆しを感じる本日ここに、吉祥寺東日本大震災遺族会主催の抜苦地蔵開眼法要に際し、公私共御多用の中多くの皆様に御臨席を賜り、遺族を代表いたしまして衷心より深く御礼申し上げます。
激流と渦が街を呑み込んだ2011年3月11日14時46分に発生した、想像を遥かに超えた東日本大震災大津波から、早いもので7回忌を迎えました。

大槌町の犠牲者は1285名で、今もなお行方がわからない方々が421名と、被災地の中でも特に大きな被害を受けました。私共の菩提寺であります当吉祥寺の檀家檀信徒におきましても世帯名の方々が犠牲となりました。
我々遺族は、あの忌まわしい津波災害で家族を不意に失ってからは、深い悲しみに心が立ち直れず茫然自失の中、先のことが考えられない思いをしてまいりました。しかしながら、これまで国内外の多くの方々から心温まる励ましの言葉を賜りながら、少しずつ前を向いて歩いています。

震災直後、瓦礫が散乱し、街並みが一変し、途方に暮れている中、吉祥寺高橋住職におかれましては、我々、家族の弔いに際し、慈悲の心で対応していただきましたことは、これから先も忘れることはできません。
さらに、吉祥寺護持会におかれましては、吉祥寺開山400年記念事業の一環として、本日の東日本大震災慰霊碑の建立を7回忌に合わせて進めてこられましたこと、檀家檀信徒関係各位に対しまして、心から御礼申し上げます。

私たちも、この際、吉祥寺東日本大震災遺族会を立ち上げ、犠牲者の供養と震災の記憶を風化させない取り組みを続けていかなければと考え、過日、数名がお寺に集まり、遺族会設立について懇談し、この度、吉祥寺東日本大震災遺族会を立ち上げました。
本日、御参会の皆様には遺族会の趣旨に賛同されて、抜苦地蔵開眼法要に御参会賜りましたこと深く御礼申し上げます。

我々遺族会は、本日の抜苦地蔵開眼法要を通して、生きたくても生きることが叶わなかった犠牲者を供養し、残された私たちが強く生きていくため、また、同じ苦しみ悲しみを二度と繰り返さないために抜苦地蔵を心の拠りどころとして、永く御守りしてまいります。
本日は、公私とも御多用のところ御参会いただきまして誠にありがとうございました。主催者を代表して御礼の御挨拶といたします。

平成29年3月11日
吉祥寺東日本大震災遺族会
会長 芳賀 俊明

東日本大震災慰霊碑の建立

東日本大震災慰霊碑の建立
抜苦地蔵は、今この世界でもだえ苦しんでいる非力な我々を助けてくれる仏です。来年3月11日、東日本大震災から数えて仏教では7回忌にあたり、境内に慰霊碑(お地蔵様)を建立し、犠牲となられた方々のご供養と今を生きる人々の支えとしてまいります。
お地蔵様の大きさは150cmで素材は鋳銅です。作成者は東京芸術大学名誉教授戸津圭之介先生です。
抜苦地蔵の胎内には、東日本大震災で犠牲となられた方々の過去帳が納められています。
TOPへ戻る